PAC第22回定期
2009-02-22


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2月の兵庫県立芸術文化センター管弦楽団(PAC)の定期を聴いてきました。曲目は
・藤倉大/クラッシング・ツイスター
・ショスタコーヴィチ/ヴァイオリン協奏曲第1番
・ストラヴィンスキー/「火の鳥」原典版

藤倉大さんは、ちょうど先日いずみシンフォニエッタで新作のSecret Forestの世界初演を聴いたばかり。クラッシング・ツイスターは舞台を大きく3つに分け、左右の弦・管・打楽器のグループとセンターのトランペットと弦楽器のグループが時間差で演奏し音響空間を構築する曲。先のSecret Forestも舞台上と、客席の周囲4ヶ所及び客席のど真ん中にファゴットを配置し、森のまっただ中に観客を誘うという幻想的な曲でしたが、藤倉さんはこのような2,3次元てきな空間演出が好きなようです。曲は強烈な印象を残す前に終わってしまった印象です。演出に苦労するわりに効果が薄いかもしれません。

ショスタコーヴィッチは木島真優さんのヴァイオリンは技巧的には何ら不安もなく、自分の音楽を表現することに集中している様子。録音も限られており生で聴くこともなかなか出来ない協奏曲ですが、兵庫の聴衆にこの曲の良さを知らしめられたのではないでしょうか。

最後の火の鳥。組曲版は良く演奏されますが(3月3日のセンチェリーや大フィルの定期にも登場)、これらはオーケストレーションも変更されたものですが、PACではバレエ音楽の原典版全曲で4管編成という珍しいもの。指揮のジャン・ドロワイエさんは色彩感豊にまとめ上げてはいましたが、曲を楽しませるためには、今の場面がどのようなシーンなのか、曲に付けられたタイトルを字幕などで表示すればよりよかったのではないかと思います。組曲は抜粋でポイントを押さえた選曲になっているのですが、全曲でバレエもなければ冗長に感じる場面もありました。バンダもバレエの舞台でないのですから、袖でなく思い切った配置で演奏させてもおもしろかったのではないかと思います。
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